アニメ「聖地」の「イコン」
(2008年11月1日撮影、2009年1月掲載)


埼玉県北葛飾郡鷲宮町(わしみやまち)。
近年、この町は週末になると数多くのアニメファンが訪れる場所として知られている。ここは、2007年4月〜9月に放送された人気アニメーション「らき☆すた」の舞台の一つであり、作品のファンにとって「聖地」の一つなのである。
この町を巡っていて気づくのが、町の個人商店の店先に飾られた「らき☆すた」登場人物のイラストである。
店の人が描いたのだろうか?
話を聞くと、訪れたファンが自作のイラストを店に置いていくのだという。撮影したショーウィンドウ(写真上)のみならず町の商店にはこのようなファンによる手作りのイラストが数多く飾られており、それがこの町に独特の景観を作り出している。特に、町の中心にある鷲宮神社にはキャラクターのイラストが描かれた絵馬が奉納されており、この町の一種の名物にすらなっている(写真下)。
一時は地元に困惑を招いたと報道された(「関東最古の神社にアニヲタ殺到 地元困惑、異色の絵馬も」 MSN 産経ニュース 2007年7月25日)この状況は、しかし、TV放映翌年(2008年)において鷲宮神社の初詣参拝客の数が前年比2倍強の増加となり、鷲宮町への直接的な経済波及効果が1億円超といわれる( 「我が町 オタクの集う地に」 日経流通新聞 2008年11月12日 3面)などの景気のいい話が出てくる中、新たな「まちおこし」のあり方として語られるようになっていった。しかし、この成功は鷲宮町がたまたまアニメ作品の舞台だったから生み出されたものではない。
この鷲宮町の商工会に所属する人びとやこの地を訪れるファンの話、そして何よりストリートの風景から見えてくるものは、ある種の拒否反応を生みかねない「オタク文化」を地域が包摂している姿である。ファンはそこに惹かれ、この鷲宮町を繰り返し訪れる。
店先に飾られた二次創作のイラストは、そのような雰囲気を作り出すことに一役買っているのだ。
ファンが作る自作イラスト。それは、「巡礼者」を呼び込む「イコン」としてこの町で機能している。
近年、この町は週末になると数多くのアニメファンが訪れる場所として知られている。ここは、2007年4月〜9月に放送された人気アニメーション「らき☆すた」の舞台の一つであり、作品のファンにとって「聖地」の一つなのである。
この町を巡っていて気づくのが、町の個人商店の店先に飾られた「らき☆すた」登場人物のイラストである。
店の人が描いたのだろうか?
話を聞くと、訪れたファンが自作のイラストを店に置いていくのだという。撮影したショーウィンドウ(写真上)のみならず町の商店にはこのようなファンによる手作りのイラストが数多く飾られており、それがこの町に独特の景観を作り出している。特に、町の中心にある鷲宮神社にはキャラクターのイラストが描かれた絵馬が奉納されており、この町の一種の名物にすらなっている(写真下)。
一時は地元に困惑を招いたと報道された(「関東最古の神社にアニヲタ殺到 地元困惑、異色の絵馬も」 MSN 産経ニュース 2007年7月25日)この状況は、しかし、TV放映翌年(2008年)において鷲宮神社の初詣参拝客の数が前年比2倍強の増加となり、鷲宮町への直接的な経済波及効果が1億円超といわれる( 「我が町 オタクの集う地に」 日経流通新聞 2008年11月12日 3面)などの景気のいい話が出てくる中、新たな「まちおこし」のあり方として語られるようになっていった。しかし、この成功は鷲宮町がたまたまアニメ作品の舞台だったから生み出されたものではない。
この鷲宮町の商工会に所属する人びとやこの地を訪れるファンの話、そして何よりストリートの風景から見えてくるものは、ある種の拒否反応を生みかねない「オタク文化」を地域が包摂している姿である。ファンはそこに惹かれ、この鷲宮町を繰り返し訪れる。
店先に飾られた二次創作のイラストは、そのような雰囲気を作り出すことに一役買っているのだ。
ファンが作る自作イラスト。それは、「巡礼者」を呼び込む「イコン」としてこの町で機能している。
撮影・文:谷村要(大学院GPリサーチアシスタント)
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