【案内】共同研究「<承認>の社会学的再構築」第7回研究会「ジェンダーと承認」


● 日時:6月27日(日)13:00-17:00

● 場所: 関西学院大学 社会学部棟3F 大学院1号教室

● 報告者:守 如子氏(関西大学社会学部准教授)

● 概要

男子高校生がクラスで友人たちとポルノグラフィを取り巻きながら談笑している。その姿を遠巻きに見ている女子がいる。このような日常的な光景が指し示す、「男はポルノを読むもの」「女はポルノを読まないもの」という暗黙の性規範が社会的に容認されているという実感を誰しも抱いたことはあるだろう。だが、中には「どうして男だからといってポルノを読まなければならないのか?」「どうして女だからといってポルノを読むことが認められないのか?」と感じる人もまた存在している。では、ポルノグラフィという「娯楽」商品を消費するうえで生じてしまう男女間の偏った性の<承認>をどのように考えるべきなのだろうか。


守氏は、これまでのフェミニズムによるポルノグラフィ批判運動が行ってきた「ポルノは女性差別である」という論調が男性の性的な能動性確保のために女性の性欲を受動的なものとする「性の二重規範」であると批判する。そこで、ポルノグラフィを男/女という図式に還元するのではなく、攻め(身体的快楽を与える側)/受け(身体的快楽を与えられる側)という観点から男性向け/女性向けポルノグラフィの比較分析を行う。そして、ポルノグラフィをめぐる女性の多様な経験の記述と、その支配構造を明らかにし、「体験の肯定的な語り方」を模索する。

本研究会では「女とポルノ」というテーマをもとに、単純な性差別批判とは異なる日常生活にはらむジェンダーと承認という問題系について討議する。

posted on 2010-06-22