【案内】共同研究「<承認>のフロンティア研究会」第5回研究会「<地元現象>から承認を考える」


● 日時 2010年1月30日(土)13:30-17:00

● 会場  関西学院大学上ヶ原キャンパス 全学共用棟二階GPレンタルラボ
http://www.kwansei.ac.jp/Contents?cnid=3334

※ 公開研究会ですのでどなたでも参加できますが、会場の収容人数には限りがございます。参加を希望される方は、研究会後の懇親会の出欠とあわせて事前に下記までご連絡いただければさいわいです。
soc-gp@kwansei.ac.jp

● 発表者:轡田竜蔵(吉備国際大学社会学部専任講師)

● 研究会の内容

 近年ますます厳しくなっている地方の経済状況。それにもかかわらず地元にとどまろうとする、いわゆる「地元志向現象」は、なぜ起こっているのだろうか。地方の若者の実情を多少なりとも知っている人ならば、地元を積極的に志向する条件が、そこに揃っていないことは自明と思われる。そこでは魅力的な「専門職」がほとんどなく、非正規の不安定な労働を強いられる場合が多い。彼らが地元を志向する理由としては、友人関係という存在論的な安心感、親元にパラサイトできるという経済的な安心感の二つが考えられる。しかしそうした理由は、彼らが戦略的に地元を選び取る要因というよりも、それ以外の選択肢から彼らが排除された結果とみなすこともできる。

 轡田氏は、「地元志向」を積極的に語る若者らの語りを詳しく取り上げる中で、実際には彼らの語りが、どうしようもなく投げ込まれた自己の宿命的な状況を、彼らなりに反転させたものであることを浮かび上がらせる。本研究会ではこうした地方の若者を取り巻く実情を知り、さらにそうした状況を克服してゆくためのエンパワーメントが、「地元」という場を足がかりに、いかに可能であるかを問う。

posted on 2010-01-27