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【報告】ANU Japanese Studies Graduate Summer School 2011


昨年度も本研究科から4名が参加したセミナー(JSGSS)が、今年もオーストラリア・キャンベラで開催されました。今年は、8名の院生・研究員が参加し、3名が本セミナーで、5名がプレセッションで報告しました。
(関連URL http://japaninstitute.anu.edu.au/jsgss/)


apw2011


●開催期間:2011年2月1日(火)~3日(木)

●場所:オーストラリア国立大学(豪州キャンベラ)

●参加レポート:

今回私は、大学院GPの国際プログラムの一つとして、ANU Japanese Studies Graduate Summer School 2011(以下、JSGSS)に参加し研究発表を行った。以下ではJSGSSの概要、準備、研究発表の成果について報告したい。

JSGSSは、Australian National Universityを中心にした日本研究者が集う学際的プログラムである。これまで、様々な学問分野から若手研究者が集まり、意見交換やネットワークづくりがなされてきた。非西欧圏における追悼・慰霊に関心をもつ私は、日本だけでなく中国・台湾・韓国などの東アジアにおける追悼・慰霊に関心をもつ研究者と情報交換できればと考え、参加することにした。

すでに国際ワークショップでの英語発表を経験していることもあり、準備段階としてそこまで周到な準備を行ったわけではない。しかし発表要旨と300語程度のペーパーを出すにあたり、GP事務室の川端氏やテランス氏に助けて頂いた英文チェックは大変心強かった。また現地までの交通・宿泊等のコーディネイトについてはGP事務室からの支援があったので、JSGSSで会う可能性のある研究者の業績チェックなどに時間を割くことができたことは大変有り難かった。

私が研究発表したのは3日目であるが、当日の個人発表の時間だけでなく、その前後のインフォーマルな場で様々な情報交換や、意見のやり取りをすることができ大変貴重な時間を過ごすことができた。特に2日目に基調講演を行った、ハワイ大学社会学部のPatricia Steinhoff教授との出会いは望外の幸運であった。というのは、昨年私は公共性と宗教というテーマのもと、Robert Bellahの市民宗教論に取り組んでいたが、彼女はハーバードでのBellahの教え子であり、私の研究テーマに多大な関心を寄せ、今後の研究方針についてのアドバイスとともに勇気づけてくださった。

またセミナー3日目で彼女が講師となって行ったワークショップでは、社会学と地域研究という学問分野の対立と協同がテーマとしてとりあげられ、今後のキャリアのなかで自分がどのような立場から研究を発信していくのか、という問題についての考えを明確にすることができた。Steinhoff教授とは、その後メールのやり取りのなかで私の研究テーマに関連する研究者を紹介してくださるなど、連絡を続けることができている。

このように、研究発表以外の場での様々なコミュニケーションのなかで多くを得たことが、今回JSGSSに参加したことによる成果だったように思う。


文:福田 雄(関西学院大学大学院社会学研究科 博士課程後期課程)


※より詳しい報告は「Japanese Studies Graduate Summer School 2011
(オーストラリア・オーストラリア国立大学)に関する報告」
をご覧ください。

posted on 2011-03-17