【レポート】第3回日中若手研究者フォーラムに関する報告
2010年4月2日から8日にかけて、北京師範大学(BNU)にて民俗学を専攻する大学院生と教員の方々を招いた第3回日中若手研究者フォーラムが、関西学院大学にて開催された。
中国・北京での取り組みとなった前2回のフォーラムとは異なり、今回は関学側の研究員と院生が、西宮/京都/奈良における共同調査を一から企画、実行した。
短期間の調査であったため、「調査成果」と呼べるような結果が出たかどうかは正直、疑わしいが、以前に北京を訪問した際と、「実感」として明らかに異なっていた点が1つある。それは、調査報告に取りかかる際に、BNU民俗学/関学社会学のメンバーが、それぞれの専門や関心を最大限に活かしつつ、共通の報告目標を定めた上で準備に取り掛かれたことに他ならない。限られた時間のなかで、ある程度まとまりのある報告が可能となったのは、これまでの両者の交流を通じた「経験値(知)」によるところが大きかったのではないか。
これは、3回目の共同調査研究においてようやく確認できた地平である。両者の理解は確実に深まってきている。その意味で、今後も本プログラムを何かしらの形で引き継ぐことは、日中の若手研究者による社会調査論/フィールドワーク論を構想することへの確実な前進となるだろう。
最後に、多忙のところ、調査を受け入れてくれた関係者の皆さまに心より御礼を申し上げたい。
(稲津秀樹・関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程)

写真:白鹿記念酒造博物館での調査
より詳しい報告は「日中若手研究者フォーラム(中国・北京師範大学)に関する報告」をご覧ください。