【レポート】「〈承認〉のフロンティア研究会」第二回読書会

ナンシー・フレイザー,『中断された正義―「ポスト社会主義的」条件をめぐる批判的省察』「第一章 再配分から承認へ?―『ポスト社会主義』時代における正義のジレンマ」 (報告者:濱田)

日時:2009年5月25日 18:50-21:00

場所:関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟院生控室


フレイザーの問題関心は、(フレイザーが本書を書いた)今日の正義は経済的な再配分と文化的な承認の両方を必要としていることでした。結論として、経済的不公正には社会主義経済を、文化的不公正には脱構築による文化的ポリティクスの組み合わせが適切であるとしています。

読書会では本書の内容についての理解が深められました。参加者は特にフレイザーによる再配分と承認の区別、不公正に対する肯定と変革の二つのアプローチが説明する対象について、具体的な事例を取り上げ意見や質問のやり取りを行いました。

今回の読書会では、取り上げた章の内容が具体的ではなかったので、参加者は内容からそれぞれの対象をイメージしていたようです。そして対象が同じものではなかったことから、結果的に読書会の多くの部分はイメージの確認になり、議論は生まれにくく少なかったかと思います。

報告者:濱田武士

posted on 2009-08-03