【案内】共同研究「東アジアのストリートの現在」第10回研究会

投稿者:「東アジアのストリートの現在」研究班

「東アジアのストリートの現在」班では、2010年7月3日に第10回研究会を行います。ぜひご参加ください。


● 第10回研究会「Transnational Sound or Homeland Sound? ─ 移民音楽が生みだす〈場〉と〈空間〉─(仮)」

● 日時:7月3日(土)15時~(2~3時間程度)

● 場所: Miski(阪神電車尼崎駅近くのペルー料理店)
      http://www10.ocn.ne.jp/~miski/access.htm

※今回は研究会テーマであるTransnational Soundの実践の場での開催です。(実践者も参加予定)公開研究会ですのでどなたでも参加できますが、会場の収容人数には限りがあります(18名程度)。参加を希望される方は、研究会後の懇親会の出欠とあわせて6月末までにGPオフィスに連絡をいれ、キャンセルのないようにお願いいたします。
 連絡先→ soc-gp@kwansei.ac.jp


●報告者:エリカ・ロッシ氏(一橋大学大学院 社会学研究科)

プロフィール:以下参照
  http://www.soc.hit-u.ac.jp/research/wakate/detail.cgi?ID=24

●コメンテータ:菅野 淑氏(名古屋大学大学院文学研究科)


●概要:

 まちの雑踏をすり抜ける際にどこからか聞こえるフォルクローレの音─振り向けば、路上系のアーティストに交じって、アンデス系の衣装を着た人びとの演奏隊がそこにいることに気づく。たとえば、こうした≪音≫を聞いた際に、懐かしい、と郷愁の念をもって捉えるか、TVの映像でみた南米のエキゾチックな自然を重ねるかは、聴者の立場によるだろう。だが、そこには確実に、国境を越えて移動する人びとがおり、彼ら彼女らが生みだす≪音≫が埋め込まれたところには、常に、新たな関係/場が作りだされていることは確かだ。

 多様なポジションに位置している複数の他者を媒介する≪音楽≫という実践が意味するものの探究を行う。それにより、移民の音楽実践が生みだしている風景=≪ストリート≫における「出会い」の意味を身体から再考することを目指す。たとえば、移民音楽のある風景は、国境を越えた出会い=トランスナショナルなものを生み出しているのか、あるいは、当事者にとってのホームランド、部外者にとっての異国=を再生産する出会いとなっているのだろうか…。

 ペルー移民の音楽実践が専門の報告者と、在日アフリカ系ミュージシャンを研究対象としたコメンテータをはじめ、数名の当事者を招きつつ、上のような問いを起点とし、本研究会をはじめてみたい。それにより、移動する音楽実践者たちと、≪音≫によって媒介された人びとのあいだで生み出される多層な風景=≪ストリート≫、そしてそこに語られずとも表出しているであろう、移動する人びとにとっての多様な「生」の在り方が語られることになるだろう。

posted on 2010-06-21