【案内】共同研究「東アジアのストリートの現在」第9回研究会「<ストリート>としての商店街─監視・多文化・観光のまなざしの交錯─」
投稿者:「東アジアのストリートの現在」研究班
「東アジアのストリートの現在」班では、2010年3月6日に第9回研究会を行います。ぜひご参加ください。
● 第9回研究会「<ストリート>としての商店街─監視・多文化・観光のまなざしの交錯─」
● 日時:2010年3月6日(土)13:00-17:30(予定)
● 場所:TKP大阪梅田ビジネスセンター・カンファレンスルーム8D室
http://tkpumeda.net/access/index.html
※ 公開研究会ですのでどなたでも参加できますが、会場の収容人数には限りがございます。参加を希望される方は、研究会後の懇親会の出欠と合わせて事前に下記までご連絡いただければさいわいです。(参加無料)
soc-gp@kwansei.ac.jp
● 報告(タイトルは仮題):
・「監視の<主体>としての商店街」
朝田佳尚(日本学術振興会特別研究員(京都大学))
・「観光地化する都市の商店街と「自発的な」活性化ー大阪「新世界」を事例として」
八木寛之(大阪市立大学大学院文学研究科 後期博士課程)
・「文化接触領域としての商店街―横浜市鶴見区のエスニックレストランより」
安井大輔(京都大学大学院文学研究科 修士課程)
● コメンテーター: 五十嵐泰正(筑波大学人文社会科学研究科専任講師)
● 趣意:
「私たち」にとって身近であって、また文字通りの「通り」=ストリートでもある「商店街」。だが、その〈ストリート〉性はどこまで問われていただろうか。「東アジアのストリートの現在」研究班では、これまで、サブカルチャーの実践者、エスニシティ、野宿者といった、いわゆる「マイノリティ」のフィールドワークの成果から〈ストリート〉を捉え返す作業を行ってきた。今回の研究会では、「商店街」という身近だが、どこか遠くに感じられる空間/場で起きている、出会い/交わり/繋がり、そしてそれらを阻むものの現在をみつめていくことを試みたい。
なぜ、今、商店街なのか。グローバル化による地殻変動と共に、そこは、旧来の「地域社会」の枠組みでは必ずしも捉えられない、さまざまな背景を持つアクターのまなざしが交錯する空間となっている。「古き良き下町」へのノスタルジーや「エスニック料理」へのエキゾチシズムを持ち込む顧客たち。そして、それら外部のまなざしを受け止めつつ、さまざまな実践を展開してきた店主たち。はたまた、そうした人々を横目で「見守る」監視カメラの視線が意味するものとは、はたして何だろうか。このように様々なアクターのまなざしが交錯する場面に着目しつつ商店街を捉えなおせば、それが位置する「地域」内外のアクターのまなざしを巧妙に受容/消費しながら、生
きながらえていこうとする商店街の現在が見えてくるのではないか。そうした中、旧来の「地域」イメージを越えて、どのようにして「商店街」は、他者をマネジメントするようになっているのだろうか。あるいは、<ストリート>としての商店街に問われるべき、新たな他者性への契機/可能性は、これまでの「地域社会」にとって、ひいては「私たち」にとって、いったい、何を意味しているのだろうか。
この研究会では、以上のような問いにあらわされる商店街の<ストリート>性をめぐる現在を、監視社会論(朝田氏)、ディアスポラ論・クレオール論(安井氏)、そして観光論(八木氏)を背景にフィールドワークを続ける3名のパネリストによる報告と、グローバル化と都市の再編を専門とするコメンテーター(五十嵐氏)を中心に議論していく。路上への/からの社会学を試みる、第9回研究会は、「商店街」というマジョリティにとって身近であり、かつ、どこか遠いもののようにも思える空間で展開している、<ストリート>の現在へと肉迫することを目指す。