【レポート】第1回ワークショップ
投稿者:福田雄
日時:2009年1月14日(水) 15:00~16:30
場所:池内記念館 第3会議室
内容:1月14日、国際プログラムの協力校であるトリブバン大学(ネパール)よりミリゲンドラ・カルキ氏が来校し、3月開催予定の計量社会学セミナーの打ち合わせと第1回目のワークショップを行った。ワークショップでは、カルキ氏が執筆中の博士論文の一部を発表して頂いた。氏の研究対象は、ネパールにおける活動家である。長年のフィールドワークにもとづく質的調査と、800サンプルを超える量的調査を用いて、ネパールの人々がどのようなモチベーションから活動家となっていくのか、またそれに影響する変数にはどういったものがあるのかを明らかにしている。氏は、活動家の3つの側面(モチベーション、活動内容、時系列)について分析を行った。その結果、ネパールにおける活動家への転身は、時期と活動内容によって動機付けが異なると結論付けた。氏の研究は、Rという統計ソフトによる分析を導入することで飛躍的に発展したということだった。Rを使った研究を初めて拝見したが、その印象としては新鮮なグラフィックにより、直感的な推論が可能とり、より発展した知見が得られる可能性を感じた。すべて英語で発表及びディスカッションが行われたこと、多様な宗教や身分制度、地域性や民族で構成されるネパール社会について事前の知識がなかったことから、その研究内容には理解が困難な部分もあった。しかしながら、識字率が60%という社会においての社会調査とは、日本や欧米など違った困難があるのだということを感じた。