科研費(基盤研究A)「生活実態調査」

2016-2020年度 科学研究費 基盤研究(A)
「政策形成に貢献し調査困難状況に対応可能な社会調査方法の研究」

研究期間延長中
新型コロナウイルスの影響により2022年度まで研究期間を延長しています。所属機関での学内における学外研究者との対面での研究活動を自粛する方針のため、機関に保管している調査票原簿を確認しながらのデータ入力および分析作業の実施が困難となったためです。

研究目的
政策形成の根拠となってきた統計法に基づく政府統計調査は、社会・経済構造の激変によって、国民生活の実態を正確に把握できなくなっているという深刻な問題に直面している。本研究では、社会学領域で蓄積されてきた社会調査に関する研究成果を駆使して、既存の政府統計や地方自治体調査を刷新するとともに、それらを国際比較も可能となる社会調査として再構築していくことを目的としている。また近年では、2005年の個人情報保護法に伴うプライバシー意識の高揚によって、「調査実施環境」がきわめて危機的な状況となっている。本研究では、そうした調査困難状況やインターネット環境にも対応可能となる新しい社会調査手法を開発していくことも同時に進めていく。

<研究課題>
A.「国民生活」に関する政府統計調査や地方自治体が実施している標本調査を多角的に研究する
B.国民生活の実態を測定できる新しい「生活実態調査」を構築し、都道府県や都市圏で実施する
C.海外の最新の社会調査方法の実態を積極的に導入し、国際的に汎用性のある調査を確立する

<研究代表者>
大谷信介  関西学院大学社会学部・教授 (都市社会学)
<研究分担者>
稲葉昭英  慶應義塾大学文学部・教授 (家族社会学)
後藤範章  日本大学文理学部・特任教授 (都市社会学)
木下栄二  桃山学院大学社会学部・教授 (家族社会学)
小松洋   松山大学人文学部・教授 (環境社会学)

2022年度
研究期間終了年度にあたる今年は、引き続き「愛媛・長崎県民生活実態調査」「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」の分析を進め、研究成果の取りまとめにとりかかっている。
(2022年9月盛岡研究会)

2021年度研究実績
引き続き「愛媛・長崎県民生活実態調査」「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」の分析を進めた。

大谷信介,2021『調査困難状況における社会調査の運営に関する研究―「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」の取り組み―』

関西学院大学大谷研究室,2022年3月『人々の生活実態を明らかにする分析手法の開発―生活圏と政府統計の問題点に着目して―』


(2022年3月宮崎研究会)

2020年度研究実績
これまで実施した「愛媛・長崎県民生活実態調査」「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」の分析を進めた。これらの調査で新たに開発した質問文の有効性の検証、空間情報の分析手法の開発およびGoogleMap等の活用方法の検討をおこなった。

関西学院大学大谷研究室,2021年3月『人々の暮らしを正確に測定する社会調査の構築ー生活実態調査の開発と検証ー』

2019年度研究実績
「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」を実施。2017年度に実施した「愛媛・長崎県民生活実態調査」では〈地方〉の実態把握がおこなわれたが、それとは生活行動や生活様式の異なる〈都市〉における実態把握を試みた。

「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」についてはこちら

関西学院大学大谷研究室,2020年3月『政府統計調査の限界と生活実態調査の可能性ー「川崎・神戸・福岡市民生活実態調査」報告書ー』

2018年度研究実績
「愛媛・長崎県民生活実態調査」で開発した調査票を再構築し、国際比較可能な「生活実態調査」の調査票の開発・調査設計をめざした。「愛媛・長崎県民生活実態調査」の各質問の有効性と課題の検証をおこない、さらにヨーロッパ13ヶ国で「欧州在留邦人聞き取り調査」を実施した。
大谷信介,2019『2018年度 科研費基盤研究(A)研究成果報告書』

(2018年8月 KU LEUVEN研究会)

2017年度研究実績
「愛媛・長崎県民生活実態調査」を実施。都道府県が実施する社会調査の問題点を指摘するだけでなく、「政策形成に役立つ社会調査」「県民の生活実態を測定できる調査」の開発を試みた。
大谷信介,2018『研究成果中間報告書「愛媛・長崎県民生活実態調査」報告書』
研究について
調査依頼ハガキ・調査票サンプル
当研究に関する報道
結果公表
問い合わせ先

2016年度研究実績
大谷研究室では2001年に大阪府下44市町村を対象に、市町村がおこなう社会調査の実態把握調査研究をおこなった。2016年度研究では、各都道府県庁が実施する「県民意識調査」「県民世論調査」について実態把握を試みた。
関西学院大学大谷研究室,2018年3月「47都道府県調査が実施する社会調査の実態把握ー「県民意識調査」の実施状況と問題点」