WEB版「誰がなぜゲーム」

「誰がなぜゲーム」のWEB版が動き始めます(2017年後半期、原子力発電環境整備機構(NUMO)との共同研究)。

WEB版「誰がなぜゲーム」の場面は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場である「地層処分場」です。

原子力発電所でウランを燃やした後には、核廃棄物(いわゆる「核のゴミ」)が出ます。これを再処理して、まだ使えるプルトニウム等を取り出すと、いよいよ最後には捨てるしかない液状の廃棄物が残るのですが、これは人間が近づけば即死するほどの猛烈な放射線を数十年~数百年にわたって放ち続けます。この危険きわまりない廃棄物をガラスとまぜて金属のケースで固めたものを、「高レベル放射性廃棄物」と呼びます。

高レベル放射性廃棄物はあまりに危険すぎるゴミなので、海に捨てることも外国に持ち出すことも、宇宙に捨てることもできません。ではどうするか? 現状では、地下深く(500メートル以深)の岩盤層に埋めこみ、数百年~数万年かけて放射能が安全レベルに下がるまで人間の生活空間から隔離するやり方しかありません。

高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋めこむ最終処分場、それが「地層処分場」です。フィンランドなどではすでに建設が始まっています。

50年以上にわたって原発を動かしてきた日本には、すでに放射性廃棄物が大量にたまっています。このゴミは、「この先、また原発を動かすかどうか」とはまったく関係ありません、「すでに溜まってしまった」ものなのです。これを早くなんとかしないと、未来の社会・将来の世代に大変な負担をかけることになってしまう。そのために、日本のどこかに地層処分場を造らなければなりません。

地質条件などを調べたうえで、地層処分場に適した地域が見つかったとします。その地域に地層処分場を造るべきか、やめるべきか―その是非を決めるのは“地元の人々”なのか、“国民の多数者”なのか、“日本政府”なのか、誰であるべきでしょうか。

この問題をゲームの討議場面として設定し、WEB上で全国から参加者を募った「誰がなぜゲーム/地層処分場版」を実施します。

WEB版「誰がなぜゲーム」(テスト風景)、参加者がチャットで「地層処分場」に関する議論を開始
  • 関西学院大学

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